移植当たりの妊娠反応陽性率 90%越え?
当院では新鮮胚移植はせず、胚盤胞にて凍結保存し後日移植する方針にしています。
以前不成功症例に対して子宮の検査を行ったところ、一定数の方が異常を認め、治療により改善すると妊娠する症例も多いため
全例移植前に子宮内の検査をして、異常があれば改善してからの移植をルーチンに変えました。
すると
2024年11月における
移植当たり妊娠反応陽性率(血中HCG 上昇)
全体で 83.3% 40歳以下 92.9%
移植当たりの臨床的妊娠(超音波にて胎嚢確認)
全体で 66.7% 40歳以下 78.6%
2024年12月における
移植当たり妊娠反応陽性率(血中HCG 上昇)
全体で 80.0% 40歳以下 88.9%
移植当たりの臨床的妊娠(超音波にて胎嚢確認)
全体で 55.0% 40歳以下 61.1%
いずれも着床前診断(PGT-A)をしていない融解胚盤胞移植であることを考えるとかなり高い結果と考えています。
受精胚は年齢や症例の背景によって染色体異常が一定数あり、妊娠しなかったり、妊娠反応のみで終わってしまう症例や後に流産になってしまう症例が存在します。
今回もおそらく最終的に生児獲得に至るのは(生産率は)全体の5-6割程度になるのでしょうが、
妊娠反応陽性率が高いということは、移植のプロトコールや手技が正しく、正常染色体胚を移植できればちゃんと着床させてあげられる技術の確かさの裏付けと考えています。
重要なことはより多くの良好胚を獲得すること。そしてそれを正しく移植してあげること。
当院では自然周期採卵よりも排卵誘発剤による多数卵の獲得を標準としています。
一度の採卵で二人目、三人目の妊娠をトライできるようにと、考えています。