働く女性の
将来の妊娠への
選択肢として
卵子凍結について
卵子凍結とは、将来の妊娠出産に備えて、
年齢が若い時に質の良い卵子を、体外にて凍結保存しておくことです。
加齢とともに卵子は激減していく
女性は毎月月経が来ますが、これは排卵周期によるものです。
下垂体の卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の働きにより卵巣の中に卵胞が発育します。その中には卵子がいます。
正確には卵子の周りの細胞(顆粒膜細胞)に水(卵胞液)がたまり大きくなっていきます。
やがて卵胞は2cmを超えていくと、LHというホルモンの作用により破裂します。
水で膨らませた風船の中のビー玉みたいなイメージで、卵胞の破裂に伴い中の卵子が排出されます。これが排卵です。
この排卵への準備は約3か月まえからされいて、数十個から百個近い卵子が準備されますが、そのうち十数個が初期の卵胞へ、そして1個のみが発育卵胞となり排卵していきます。一緒に準備していた卵子たちは閉鎖卵胞となったりして、途中で死んで吸収されてしまいます。
つまり一回の周期で排卵は1個のみですが、百個近い卵子が無駄に消えていくのです。通常胎生期に作られた卵子は増殖して増えることはありません。生まれる前から減少をはじめ、月経開始以降も急速に減少し続けていきます。そしてほぼ使い切るころ、閉経となります。
上のグラフからも年齢とともに卵胞が減少しているのがわかりますが、上のグラフは対数グラフです。
目読みで通常のグラフに変換してみると25歳以降急激に卵子は減少していきます。40歳前半からもさらに減少があり閉経へと進みます。卵巣刺激しても体外受精時に取れる卵子の数は減少していきます。
一見排卵する卵子は「選ばれしもの」のように思われがちですが、良い卵子だから選ばれるということではありません。自然に排卵したからと言って一番良い卵子というわけではないようです。これはいずれお話する体外受精治療においての「自然で育った卵胞だからいい卵子というわけではない」という流れにつながっていきます。
(引用:ブログ 2016.10.04)
加齢と卵子の染色体異常
卵巣の中の卵子は生まれる前に一生分作られて、後は排卵のたびに数10個~100個づつ消失していきます。加齢による卵子の変化は、数的な減少も問題ですが、妊孕性に大きく影響するのは卵の染色体の問題です。
卵子は減数分裂(染色体を半分にする)の途中で眠っています。排卵直前に半分になるのですが、加齢による染色体や細胞質の劣化から23対(46本)の染色体がきれいに半分に分離できなくなり、染色体の数的異常が起きやすくなります。上記グラフからも34歳以降急激に異常卵子パーセントが上昇し、正常卵子のパーセントが下がっていきます。これは体外受精の成績とよく相関しています。35歳以上になると正常な卵子もどんどん劣化していきます。今後妊娠を希望するならば、35歳を超えたら少しでも早くトライして、必要ならば不妊治療をうけるのが良いと思います。
卵子凍結とは、将来の妊娠出産に備えて、年齢が若い時に質の良い卵子を、体外にて凍結保存しておくことです。
(引用:ブログ 2016.10.13)
当クリニックの特徴
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01FEATURE 寄り添う気持ちを大切に
しっかりとお話を聞き、皆さんに合わせたご提案を行います。
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02FEATURE 痛みの少ない採卵
安心して採卵を受けて頂けるように、確かな技術を持ったスタッフがサポートします。
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03FEATURE ライフスタイルに合わせた治療
仕事をしながら通院できるように、自己注射で通院回数を減らせます。
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04FEATURE 信頼のおける輸送と保管
管理体制の整った施設に委託し、安全に長期間責任を持って保管します。
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05FEATURE 良心的な料金設定
皆さまのライフスタイルに合わせた治療で、明瞭な料金体系でお届けします。
リスクと副作用
- 全ての凍結卵子が回復・受精・移植に至るとは限らず、最終的な挙児を保証するものではないこと
- 卵巣刺激により卵巣過剰刺激症候群や血栓症などの危険が伴うこと
- 卵子の採取には麻酔が行われ、手技に際しては一般的産婦人科小手術並みの危険性があること
- 採卵できた卵子が全て凍結保存できるわけではないこと
- 卵子凍結保存時から氏名・住所・電話番号等に変更があった場合には速やかに本院に届け出ること(届出を怠り、重要な連絡事項等が通達されない場合の責任はご本人に帰する)
卵子凍結の流れ
東京都が実施する助成金を利用する場合
ここでは、社会的利用(不妊治療や妊孕性温存療法は除く)を目的とした「卵子凍結」の流れをご紹介します。詳細に関しましては、東京都福祉局が実施する助成内容をご確認ください。
- STEP01説明会に参加
- STEP02当院を受診
- STEP03検査・採卵準備
- STEP04採卵・凍結
- STEP05輸送・保管
- STEP06凍結卵子を利用
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STEP01
オンライン説明会に参加
都が開催するオンライン説明会に参加した後、調査事業への協力申請を行い、協力承認決定を受けます。
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STEP02
当院を受診
医師の説明をよく聞き、「自分にとって本当に必要か」を再確認した後、「卵子凍結あんしんバンク」の利用申込・契約を締結します。
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STEP03
検査・採卵準備
採卵前に血液検査による卵子の数の測定(AMH検査)や感染症の検査等、様々な検査を行います。身体のコンディションに合わせて、排卵誘発方法をご相談の上、決定します。
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STEP04
採卵・凍結
医師により卵巣(卵胞)に専用の針を刺し、卵胞液とともに卵子を採取して凍結します。
※卵子の成熟度によっては採取した卵子の全てを凍結保存できない場合もあります。 -
STEP05
輸送・保管
専用の輸送サービスで保管施設まで輸送し、厳重な管理・セキュリティー体制のもと保管します。
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STEP06
凍結卵子を利用
任意のタイミングで、保管している凍結卵子の利用申し込みをしてください。
採卵方法
- STEP01検査
- STEP02卵胞刺激
- STEP03採卵
- STEP04裸化
- STEP05卵子凍結
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STEP01
検査
AMH, E2, P4, FSHといったホルモンの検査や、HIV, B型肝炎ウイルス, C型肝炎ウイルス及び梅毒といった感染症の検査を行います。
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STEP02
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STEP03
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STEP04
裸化
採卵した卵子は、卵丘細胞によって覆われているため、卵丘細胞を除去し、成熟度を確認します。
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STEP05
卵子凍結
卵子を長期間保存するために、凍結保護処理を行い、液体窒素(−196℃)の中で保管します。
料金について
診察料
初診料 | 3,000 円 |
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再診料 | 1,500 円 |
採卵
採卵術 | 0個 | 30,000 円 |
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1〜3個 | 3個まで 130,000 円 |
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4個以上 | 1個あたり 2,000 円追加 |
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局所麻酔 | 10,000 円 | |
静脈麻酔 | 30,000 円 |
裸化
裸化 | 1個 | 40,000 円 |
---|---|---|
2個以上 | 1個あたり 2,000 円追加 |
胚凍結
胚凍結 | 1個 | 40,000 円 |
---|---|---|
2個以上 | 1個あたり 5,000 円追加 |
CellSource 卵子凍結あんしんバンク
サービス料金(※1)
初期費用 | 41,800 円 |
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保管費用 | 5,500 円/月 |
出庫費用(※2) | 55,000〜77,000 円 |
初年度保管関連費用 | 107,800 円 |
- 1 1ケーン(最大15個)あたり
- 2 北海道・沖縄・離島を除く
来院(初診時)〜 卵子凍結の目安
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例:刺激周期(採卵10個、卵子凍結10個の場合)
- 採卵(10個) 144,000 円
- 静脈麻酔 30,000 円
- 裸化(10個) 58,000 円
- 胚凍結(10個) 85,000 円
- 卵子凍結あんしんバンク 38,000 円
- 初・再診料、薬剤、ホルモン検査、超音波検査 約200,000 円
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例:クロミッド周期(採卵3個、卵子凍結3個の場合)
- 採卵(3個) 130,000 円
- 局所麻酔 10,000 円
- 裸化(3個) 44,000 円
- 胚凍結(3個) 50,000 円
- 卵子凍結あんしんバンク 38,000 円
- 初・再診料、薬剤、ホルモン検査、超音波検査 約40,000 円
東京都助成金
当クリニックは 東京都卵子凍結助成対象医療機関 です。
最大 30万円 の助成を受けることができます。
対象者
東京都在住
18歳〜39歳までの女性(採卵実施日の年齢)
対象要件
下記のすべてに該当する方が対象となります。
- 都が実施する「助成対象者向け説明会」に参加し、協力承諾決定を受けること
- 説明会の参加日から1年以内に医療行為を開始すること
- 他院で本助成を受けた卵子凍結を行っていないこと
- 不妊症の診断を受けていないこと
- 「東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業の対象者」でないこと
- 卵子凍結後も都の実施するアンケートに最大5年間回答すること
助成額
-
卵子凍結を実施した年度
上限20万円 -
次年度以降、保管更新
1年ごと一律2万円(最大5年間) -
東京都卵子凍結 助成金
最大30万円
詳細に関しましては、東京都福祉局が実施する助成内容をご確認ください。
Q&A
- 何才まで卵子凍結を行うことができますか?
- 東京都の助成金の対象となるには採卵実施日が39歳であることが条件になります。そのため当院では39歳まで凍結が可能となります。
- 卵子は何年保存できますか?
- 凍結保存した日から50歳の誕生日まで凍結保存できます。(保存期間中は5500円/月の保管料がかかります)
- 通院は何回必要ですか?
-
最低でも5回の来院が必要となります。
採卵をする前に、初診時と検査結果で2回の来院が必要になります。次週期以降の生理周期から採卵のための卵巣刺激の注射が開始になりますが、刺激方法で来院回数が異なります。(卵巣の刺激方法で来院回数には個人差があります。)採卵当日に来院し、翌日以降に凍結の確認と体調の確認のための来院が必要になります。 - 引っ越しした場合はどうなりますか?
- 当院で凍結した卵子は提携している卵子凍結保存専門会社(卵子凍結あんしんバンク)へ委託保存されます。引越しの際は患者様が直接、卵子凍結保存専門会社に連絡をし、最寄りの輸送可能な医療機関を調べ出庫手続きを行なってください。
- 料金はどれくらいかかりますか?
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卵子凍結の費用は当院の自費採卵の費用に準じます。
目安として、卵巣刺激をして10個の卵子を凍結した場合、初診〜凍結保存(保存の初期費用含む)までの目安はおおよそ55万円程度(税別)となり、低刺激法で3個卵子を凍結した場合にはおおよそ35万円程度(税別)となります。詳細は当院ホームページでご確認ください。