卵巣年齢と卵子の老化
2016.10.12
一般に女性の生殖能(妊孕性)と年齢との関連で
卵子の老化と卵巣年齢という言葉が出てきます。
一見同じような感じですが、表現していることが違います。
卵巣年齢:
卵巣の中に残存している卵子数を主に表しています。
年齢とともに急激に減少していく残存卵子の量を
主に抗ミューラー管ホルモン(anti Müllerian hormone:AMH)の
値を参考に推測するものです。これは卵の質(クオリティー)を
示すものではありません。
年齢とともに急激に減少していく残存卵子の量を
主に抗ミューラー管ホルモン(anti Müllerian hormone:AMH)の
値を参考に推測するものです。これは卵の質(クオリティー)を
示すものではありません。
卵子の老化:
これは卵の質(クオリティー)について表現したものです。
染色体や遺伝子異常
卵細胞質の変性
ミトコンドリアの機能の劣化 etc.卵子の減少や卵子の老化は出生以降継続的に続いていて、付け焼刃的な内服治療や排卵誘発を行っても、悪化させることはあっても改善することは難しいことです。
最近ではミトコンドリアや細胞質が若い第三者の受精卵の核を除去し、自分の受精卵の染色体(前核)を移植して妊娠させる方法が成功したと報告されました。夫と遺伝子としての母、ミトコンドリアを提供した母の3人が遺伝的な親になります。安全性に関してはこれから検証されていくことになります。