加齢とともに卵子は激減していく

2016.10.04

女性は毎月月経が来ますが、これは排卵周期によるものです。
下垂体の卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の働きにより卵巣の中に卵胞が発育します。その中には卵子がいます。
正確には卵子の周りの細胞(顆粒膜細胞)に水(卵胞液)がたまり大きくなっていきます。
排卵
やがて卵胞は2cmを超えていくと、LHというホルモンの作用により破裂します。
水で膨らませた風船の中のビー玉みたいなイメージで、卵胞の破裂に伴い中の卵子が排出されます。これが排卵です。

この排卵への準備は約3か月まえからされいて、数十個から百個近い卵子が準備されますが、そのうち十数個が初期の卵胞へ、そして1個のみが発育卵胞となり排卵していきます。一緒に準備していた卵子たちは閉鎖卵胞となったりして、途中で死んで吸収されてしまいます。
つまり一回の周期で排卵は1個のみですが、百個近い卵子が無駄に消えていくのです。通常胎生期に作られた卵子は増殖して増えることはありません。生まれる前から減少をはじめ、月経開始以降も急速に減少し続けていきます。そしてほぼ使い切るころ、閉経となります。
年齢と卵胞数の関係対数2

上のグラフからも年齢とともに卵胞が減少しているのがわかりますが、上のグラフは対数グラフです。

目読みで通常のグラフに変換してみると

年齢と残存卵胞数改変600

25歳以降急激に卵子は減少していきます。40歳前半からもさらに減少があり閉経へと進みます。

卵巣刺激しても体外受精時に取れる卵子の数は減少していきます。

一見排卵する卵子は「選ばれしもの」のように思われがちですが、良い卵子だから選ばれるということではありません。自然に排卵したからと言って一番良い卵子というわけではないようです。これはいずれお話する体外受精治療においての「自然で育った卵胞だからいい卵子というわけではない」という流れにつながっていきます。