一度の採卵で3回の出産

開設していよいよ8年目になりました。
当院の採卵・胚移植で妊娠・出産した患者様が二人目妊娠希望で再受診され、以前に凍結保存をした胚を移植して、採卵なしで二人目を妊娠・出産する患者さんは多くいますが、いよいよ3人目トライで移植をする人も増えてきました。ある患者様は採卵1回、移植3回で3回妊娠分娩となり、一回の不成功もなく3人出産されました。
当院では安全な範囲でできるだけ多くの卵子を採取して良好胚盤胞に到達したものを凍結保存しています。
当然一人目、二人目妊娠・分娩して、目標を達成した場合残りの胚を廃棄することにはなりますが(実際10個以上の凍結胚盤胞がある状態での廃棄希望の場合もあります)、移植しても妊娠しなかったり、化学的妊娠や流産などで分娩に至らなかったりしてさらなる移植を要する症例も多く、今より若いころの凍結胚盤胞の数が多ければ、それだけ体の負担が少なく妊娠トライができます。
実際当院でも2人目妊娠希望で以前の凍結保存胚を移植し、初回・2回目が科学的妊娠や流産で分娩に至らず3回目の移植で分娩にいたるようなケースも多くあり、多くの胚盤胞を凍結保存していることの有用性を感じています。
2人目、3人目妊娠で卒業されいてく患者様を診ていると不妊治療が多少なりとも少子化対策に貢献できているかな?と思う今日この頃です。